はじめに
ホームページでボルダーとその周辺の情報を提供することで,アメリカに一時滞在する方が,家族で安心して渡米準備ができるように,今まで個人的に問い合わせがあったことについて,情報をまとめました. 旅行や出張で短期間ボルダーに滞在する予定の方向けに,コンテンツ「日本からボルダー訪問 Tips」も提供しています.
ボルダーは,アメリカの中でも,日本と同じような感覚で生活できる場所だと思います.ボルダーおよびその周辺には,コロラド大学ボルダー校を始め,連邦政府や民間の研究所が多くあります(「ボルダーの大学 研究所」参照).そのため,様々な国から移住,一時的に訪問している人が住んでいるため,英語に不慣れなこどもたちでも,アメリカ国外出身の子どもたちと打ち解けやすいと思います.
現地校(高校まで義務教育で無償)では,ELD (英語を母国語としないこども向けの特別授業)を設置している学校が多く,そのクラスでは,英語の発音を基礎からしっかり鍛えられます.
アメリカでは小さな子どもにとても優しい社会で,困っていると助けてくれることがよくあります.小さなこどもを車に一人で置いていたり,一人で留守番させたりすると虐待とみなされ警察に通報されますので注意が必要です.
随時新しい情報を追加していきます.ここにない質問,疑問がありましたた,個人的にお問い合わせください(「Boulder.jpについて」の最後のアドレス宛).
住居
【住まい】
1年,2年と滞在が長い場合,アパートを借りる場合,家具なしの方が安く,かつ,自分で好きな家具を選んで購入できるので,unfurnished (家具無し)の方がいいと思います.近くの遊歩道にアクセスできる所だと,整備された遊歩道を使い,かなり遠くまで車道と交わることなくサイクリング,ウオーキングができます.遊歩道では,野生のプレーリードッグ,りす,うさぎ,を良く見かけます.春から秋は,快晴のことが多いので,是非,自転車で楽しんでください.
一軒家を借りる場合,ボルダー市内は,古くて狭い割に高いので,少し離れたボルダー郡内の市外の家も選択肢に入れると良い候補が見付かるかもしれません.一軒家を借りた場合,芝刈りなどの家のメンテナンスを行う必要があることが多いです.
【住まい: コロラド大学の Family Housing】
コロラド大学や,コロラド大学と提携している Boulder の研究機関などに訪問する場合,コロラド大学の Family Housing (大学のアパート)が利用できる場合があります.
どの Family Housing も,数分歩いたところに,Boulder Creek が流れていて,ちょっとした散歩にもいいかと思います.小さなこどもは大喜び.
Family housing には,共用洗濯場(コイン式 1回 数ドル)があります.乾燥機もあります.洗濯物を干すのは洗濯場のスペース,あるいはアパートの中でも大丈夫です.ボルダーは乾燥しているので,家の中に干しても,1日で乾きます.
私は2003年2月から2008年3月までFamily Housing に滞在していました.すごく古いアパートでしたが,光熱費込みで洗濯機も共用のものがコインで利用でき,かつ,コロラド大学担当の警察官が頻繁に見回りにくるのでとても助かりました.頻繁に入が入れ替わるので,ムービングセールもよくあります.ごみ捨て日に,家具捨て場をチェックし,家具をより良いものに入れ替えていました.当時は,レント代はボルダーの民間アパートより2,3割安かったのですが,今では値上がりして,普通のアパート並みになっているようです.私は家具付きの アパートでしたが,5年住むならば家具なしの方が安くて良かったはずです.
この Family Housing がいいことは,外国人研究者の家族がとても多いことで,英語が第二言語となる方々,そのこどもたちがたくさんいて,何か所か子供用の遊技場,砂場があり,友達ができやすいことでした.よって,この学区に学校もそのようなこどもたちがいっぱいいます.家族にとっては本当にとても助かりました,ここにいたおかげで,家族がボルダーを気に入り,日本に帰らなければならないハードルが1つなくなりました.
3月から夏時間に変わると,夏至前後の5月から7月は夜9時頃まで明るいので,こどもたちが外からなかなか帰ってこないかもしれません.
生活
【携帯】
日本のキャリアではアメリカで利用できない,あるいはローミングサービスで利用料が高額になるので,ある程度(数ヶ月)滞在する場合,日本の携帯のローミングサービスを利用するのではなく,現地に着いてからアメリカの携帯(スマホ)の購入か SIM カード契約を考えた方が良いと思います.
アメリカには,日本のようなキッズ携帯という概念はあまりないと思います.子供の携帯の持ち歩きについては規制はないので,子供に携帯を持たせるかどうかは,家庭の判断次第です.私の家では,中学から,としています.
子供達が通ってきた学校については,小学校(日本の小学1〜5年)では,学校にいる間に電源を切っていれば,持っていって良く,中学(日本の小6〜中2に相当)では,授業中に使わなければ大丈夫かと思います(昼休みは利用可).高校(日本の中3と高1〜3相当)では,授業の間の休み時間まで大丈夫です.
いずれにしても,学校独自の決められた規則(コード)によるので,事前の確認が必要です.コードに違反した場合,没収され,もし,それが何回続くと,保護者が校長先生に呼び出され注意されます.
【レストラン】
アメリカのレストランの入店から支払まで,チップの付け方は,USAJPN コンテンツ「アメリカのレストラン・入店から支払いまで」にまとめてあります.アメリカ全般に言えますが,外食代は日本より高めです.かつ,それにチップ(15%-20%)と税金(~10%くらい)が付きます.
【健康】
ボルダーは,夏はとても乾燥しているので,肌が敏感な場合やアトピー性皮膚炎がある場合,肌荒れ防止クリームとか保湿クリームがあると良いかもしれません.但し,ワセリン,ユーセリンなどのシンプルなクリームは,こちらの方が安く購入できると思います.
ボルダーは(標高が高く)日差しが強いので,晴れた日は目を保護するためにサングラスがあると良いと思います(でも,こどもがかけているのはあまり見かけません).メガネを利用の場合,度入りのサングラスがあると便利です.最近は,メガネの上に被せるタイプのサングラスもあるようです.
夏に屋外で長時間過ごす時は(こどものサッカーの試合の応援など),帽子があると髪,頭を保護することができます.
【交通】
アメリカで,一番費用がかかるのは車(購入と保険)かと思います.ボルダー(アメリカのほとんどの場所)で生活するには,車は必須だと思います.アメリカの車関係の情報は,「自動車」(USAJPN.COM) を参照してください.
車を購入する場合,できれば日本車で,故障歴の少ないものが良いと思います.日本車の場合,売る時もほかの車より高く売れます.
私は中古ディーラーが勧めるクライスラーのアメリカ車を,ディーらから言われた値段で購入してしまい,その後故障が続き,修理でかなりの出費になりました.その後の買い替え時のディーラー買取価格も安かった記憶があります.
自転車はあると便利だと思います.車が通らない自転車道が整備されていて,オープンスペースのトレイルや小川などのアクセスできます.こちらで利用されている自転車は,日本でよく見かける自転車はほとんどなく,ほとんどが,マウンテンバイクかロードバイクです.中古屋さんも多いです.
ボルダーには電車は通っていません(貨物列車のみ)が,バスは整備されています.公共バス RTDで,ボルダー市内の移動,デンバー国際空港への移動,デンバーダウンタウン,近隣の町に移動できます.
【食品】
日本から「肉」関係の食料品は一切持ち込み禁止なのでお気をつけください.ラーメンやカレー粉の肉エキスをはじめ,肉関係のもの全てです.空港の税関で見つかった場合,肉関係の食料品は没収され,パスポートをスキャンされます(ブラックリストに登録されるかどうかは不明?)
これらは商品は限られ,一般に割高ですが,アジア系のスーパーで購入できます.
せっかくのアメリカ滞在なので,現地ならではの食生活を楽しむのも良いかと思います.
学校
【学校について】
> 今まで得た知識からはBoulderには日本人学校がなく,日本語(補習)学校のみがあると理解しています.日本語補習学校は日曜日に通う補助的な学校のようで,週5日は現地の学校に通うことになるのではと思っております.子供は現段階では英語で簡単な挨拶ぐらいしかできません.妻は車で送迎を行うことができます.状況はかなり厳しいと考えておりますが,Boulderに6カ月という短い滞在期間で,子供が現地の小学校・中学校に通うような環境を作ることができるのしょうか?
お子さんは公立の現地校に通うことになると思いますが,英語があまり話せない子どもたちのための授業 ELD(旧ESL)と呼ばれる,英語が第二言語の生徒のための英語の授業もあります.
発音の練習からしっかりやってくれるので,お子さんの英語力の飛躍的な向上が期待できると思います.日本に帰った後に数年して英単語を忘れても,いざ話した時に,発音がきれいと言われることがある,という話もよくききます.
こちらの学校は5月末が年度末で,8月末が年度始めになり,その間は長い夏休みになります.その期間中は有料ですが,サマースクールがあり,英語特訓コースとかもあります.短期滞在の場合,夏休み中は,旅行やキャンプでコロラドの大自然を満喫するのも良いかと思います.
(略語 ELD: English Language Development,ESL: English as Second Language)
日本語学校ですが,コロラド州には,デンバーの南の方の「デンバー補習学校」(日曜日1日),ボルダーとデンバーの中間くらいに「コロラド補習学校」(土曜の午前半日),の2つの学校があります.
どちらも,文科省から認可されている補習校で,日本のカリキュラムに沿って授業を行います(国語,算数,理科,社会など,学年と学校によって違います).週に1回の学校なので,宿題は1週間分でます.学力を維持するのは,保護者がしっかり宿題をサポートする必要があります.
最近は日本へ帰国するこどもたちの割合が少なくなり,いずれ日本の必ず帰らなければならないご家庭の方には,補習校に通わず,オンラインサービスで日本の授業を受ける方もいるそうです.
私は,補習校には,オンラインや親による教育では得られないメリットが多くあると思います.今まで11年間デンバー補習校にお世話になっていますが,集団行動による社会性を身につける,クラスの仲間との連帯感,日本の文化行事の体験,様々な体験学習,将来,日本の高校,大学へ進学したいと思った時,有用な情報が得られること,など,見えないメリットがあり,ボルダーから片道約1時間かけて通う価値は十分あると思います.
2つの学校それぞれに異なる特徴があるので,実際に体験学習として1日入られた後,どちらに入るか,あるいは,入らないか決めると良いと思います.
【日本人学校】
> Boulder に日本人学校はありますか?
Boulder には日本人学校はありません.ここで,「日本人学校」は全日制の学校で,コロラド州にはありません.「日本人学校」は,全日制の学校で大都市に多く,一般には,週末の1日に,日本語で国語および日本の教科を教える「日本語補習学校」(以下,補習校)が大半です.
一般に,補習校では,無料で体験入学ができるところが多いので,複数の選択肢がある場合,それぞれの学校に体験入学してから,目的にあった,そして,こどもがクラスの雰囲気に溶け込める学校を選ぶと良いと思います.
通常,学校は車でのアクセスが必要な場所にあるので,体験入学は車を入手してからになります.
【現地校(アメリカの学校)】
ボルダーの現地校の様子は,「アメリカの学校(コロラド州)」でまとめています.学年(幼稚園1年間,小学校5年間,中学校3年間,高等学校4年間)については,「アメリカの学校 教育過程」でまとめています.
子供の学校の申請に関して,どのようなタイミングで,どこに連絡をすれば良いのか?
赴任,引越前の,ビザが取れた後すぐに,学区の滞在予定住所に対応する幼稚園,小学校,中学校に,引越し予定について連絡し,必要書類について尋ねます.
例えば,ボルダーの小学校では,年齢が確認できるパスポートのコピー,予防接種の履歴,現地住所を示す書類が必要です.
一番心配しているのが子供の学校の申請に関してです.どのようなタイミングで,どこに連絡をすれば良いのか把握できておりません.おそらく渡航前に申請すると思いますが,もしアドバイス等ございましたらお教えいただければ大変助かります.
滞在住所が分かれば,以下のホームページから,学区の幼稚園,小学校,中学校,高等学校を調べることができます.
BVSD School Finder
https://bvsd.org/schoolfinder/Pages/default.aspx
1つ重要なのは,その学校で,ELD (English Language Development)クラスが開設されているかどうかです.
ELD (旧ESL) について: https://whe.bvsd.org/classes/Pages/eld.aspx
ボルダーは外国人訪問者が多いので,多くの学校でELDが開設されていますが,もし通われる現地校に ELD クラスがない場合,英語の時間には,ELDの授業を受けに開設している学校に通う必要があります.
それぞれの学校のホームページから,email で代表の先生に連絡がとれますので,滞在予定住所,引越予定日,学年,名前,ELDが必要,などの情報を知らせ,どうすれば学校に入れるか(どんな書類が必要か)尋ねると良いと思います.
アメリカの学校に入るには,日本での予防接種歴情報が必須になります.日本のクリニック,病院で過去に受けた予防接種のリストを英訳してもらう(医師のサイン付き)と良いと思います.
【現地校のサマースクール】
サマースクールは,タイミングが合えば, BVSD(ボルダー公立高校学区)が行っているELD(英語が第二言語の人 旧ESL)のクラスがあります(無料).短期滞在でも学校に通っているならば受講可能かもしれません.同じビル内に ESL の保護者向けの大人用英語クラスもあります(無料または格安).私のうちでも,夏に日本に一時帰国しなかった年は,妻とこどもたちが,このサマースクールに通っていました.
名前は「サマースクール」ですが,夏休みの約3ヶ月間ずっとあるわけでなく,1ヵ月くらいなので,夏休み中に旅行に行ったりする時間は十分あります(念のため).
【日本の帰国子女,帰国生枠の利用】
こどもの将来の目標の選択肢を広げるというメリットから,日本に帰国が決まっても,こどもがある程度大きければ,こどもだけアメリカに残すのも1つのオプションかと思います.こちらでは,日本帰国が決まっても,高校生くらいの子供たちだけ,例えば,元お隣さんの家に預け,アメリカの高校を卒業させる方も結構います.
日本には,例えば,2年以上国外の学校にいた場合に受験資格のある帰国子女枠の高校,大学があります(帰国子女枠).より長期間日本語以外で授業を受けたこどもたちが対象となる受験枠(帰国生枠)もありあす(大学によって規定は大きく異なります).最近,そのような枠で日本の大学に入ったアメリカ生まれのデンバー補習校の卒業生の話をよく耳にします.
大前さんに本で,今,日本人が活躍するためには,トライリンガルが必要と言っています.
「これからは英語だけでは駄目です。トライリンガルというのは、日本語、英語、プログラミングの3言語です」(大前研一著 「2018年の世界」,NextPublishing)
英語をしっかりアメリカで身につけ,ちゃんとした日本語,プログラミング言語(私の解釈では,数学,論理的思考能力,応用力)をこどもたちがしっかり学んでいけば,これからAI(人工知能で多くの職業がなくなる)化された世界で活躍できると思います.
交流
【プレイグループ JPG】
ボルダーの日本人プレイグループ(JPG:)に参加,メーリングリストに登録される場合,まず,1回プレイグループに参加することが条件になっています.プレイグループの情報は,「プレイグループ JPG」を参照してください.
私は,2003年のボルダーに引越してきてから,JPGのメーリングリストの運用を行ってきました.現在では,こどもが大きくなり,JPGメーリングリストへのメールアドレスの追加,削除のみ担当していて,運営等には一切関わっていません.
小学生ですと,プレイグループのお子さんに日本の本を音読してあげると,小さなお子さんが喜ぶと思いますし,お子さんにとっても良い経験になるかと思います.
ただ,多くのメンバーは,お子さんが学校に通い始めると,学校がメインとなり,プレイグループの行事には参加しなくなるので小学生高学年のお子さんは少ないかもしれません.
【日本語学校,補習校】
他には,日本人学校に通うと,クラスメートとか保護者とか,日本人の知り合いが(かなり?)増えるかと思います.日本に帰られてからも.お子さん同士で連絡しあう環境になる(日本で集まろうとか)可能性もあります.
保険
【保険】
一般に,Jビザなどによる滞在では,保険加入が義務づけられています.
1年以上の滞在の場合,例えば,JALの保険は,私がJ-1ビザで滞在中利用して,特に医療保険は助かりました(費用全額サポート).
より短い,例えば6ヶ月の滞在の場合,1年更新の保険は割高になるので,AIGなどの保険などがあると思います.
仕事
【日本関係】
ボルダーだと,日本のおにぎりショップの手伝いのパートとか,仮に英語がほとんど話せなくても働ける場所があります.働くには,ソーシャルセキュリティーカード(社会保障番号カード,日本のマイナンバーのようなもの)が必要ですが,J2ビザ(J1ビザの家族用ビザ)だと取れる可能性があります(6ヵ月滞在だと難しい可能性もあります).
このソーシャリセキュリティカードがあると,運転免許取得,銀行口座開設,など,大分楽になります.今後再度アメリカ訪問を検討される場合,あって損がないカードです.
【ビザ】
アメリカのビザの情報は,「アメリカのビザの申請と情報」(USAJPN.COM) でまとめています.
Jビザは本国に最低2年間戻る条件が付帯されていると思います(2年ルールと呼ばれています).その間は,アメリカに再度入国するためのビザを取得できなくなります.ただし,これは日本大使館(ワシントン D.C.)にレターを出すことにより,解除してもらうことができます.
アメリカで働くならば,まずは,JビザからH1b ビザに切り換えると良いと思います.
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